切り抜かれた円盤の重心

切り抜かれた円盤の重心

下図に示すように, 密度が一様で半径 \( r \) の円盤1から, それに内接する半径 \( \frac{r}{2} \) の円盤2を切り抜いた物体について, 次の問に答えよ.

この物体の重心を求めよ.

さらに, 先ほど切り抜いた半径 \( \frac{r}{2} \) の円盤2を, 円盤1の円に内接させ, 円盤2によって切り抜かれた部分に外接するように重ねた

この物体の重心を求めよ.

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\( N \) 個の質点の位置(または物体の重心)と質量がそれぞれ \( \boldsymbol{r}_i \), \( m_i \) で与えられるとき, 重心 \( \boldsymbol{r}_G \) は次式で定義される. \[ \begin{aligned} \boldsymbol{r}_G &= \frac{\sum_{i=1}^{N} m_i \boldsymbol{r}_i }{ \sum_{i=1}^{N} m_i} \\ &= \frac{ m_1 \boldsymbol{r}_1 + m_2 \boldsymbol{r}_2 + \cdots m_N \boldsymbol{r}_N }{ m_1 + m_2 + \cdots + m_N} \quad . \end{aligned} \]

また, 密度が一様な円盤の重心はその中心に一致するのであった.

さらに, 切り抜かれた物体の重心を求めるときには,切り抜かれるまえの図形マイナスの質量を持つ, 切り抜く図形が重なった状態であると考えることで, 切り抜かれた後の図形の重心を求めることができるのであった.(重心)

今回は下図のように, 円盤1の中心と円盤2で切り抜かれた部分の中心を通るように \( x \) 軸を設定し, 円盤1の中心を原点 \( O \) とする. 切り抜かれる前の円盤1の重心を \( \boldsymbol{r}_{1} \) , 切り抜く円盤2の重心を \( \boldsymbol{r}_{2} \) とする.

また, 円盤の面積比が質量比になることを利用し, 切り抜かれる前の円盤1の質量を \( m \) とすると, 円盤2の質量は面積比により \( \frac{m}{4} \) である.

つまり, 質量 \( m\), 重心 \( \boldsymbol{r}_{1} \) の物体と質量 \( -\frac{m}{4} \), 重心 \( \boldsymbol{r}_{2} \) との重心を考えることにする.

\( \boldsymbol{r}_{1} \), \( \boldsymbol{r}_{2} \) は, 密度が一様な円の重心は中心にあることを利用するから, \[\begin{aligned} \boldsymbol{r}_{1} &= \left( 0, 0 \right) \\ \boldsymbol{r}_{2} &= \left( -\frac{r}{2}, 0 \right) \quad . \end{aligned}\]

したがって, 切り抜かれた後の重心 \( \boldsymbol{r}_{G}= \left( x_{G}, y_{G} \right) \) は, \[\boldsymbol{r}_{G} = \frac{ m \boldsymbol{r}_{1} + \left( – \frac{m}{4} \right) \boldsymbol{r}_{2} }{m + \left( -\frac{m}{4}\right)}\] である. \( y_G \) がゼロであることは明らかなので, \( x_{G} \) についてのみ計算すると, \[\begin{aligned} x_{G} &= \frac{ m \cdot 0 + \left( – \frac{m}{4} \right) \cdot \left( – \frac{r}{2} \right) }{m + \left( -\frac{m}{4}\right)} \\ &= \frac{\frac{1}{8} m }{\frac{3}{4}m} \\ &= \frac{r}{6} \quad.\end{aligned}\]

以上より, \( P \) から \( Q \) の方向へ, 円盤1の中心から距離 \( \frac{r}{6} \) だけ進んだ点が重心であることがわかる.

先ほどの計算により, 円盤1から円盤2を切り抜いた物体の質量と重心は, 切り抜かれる前の円盤1の質量を \( m \) とすると, \( \frac{3}{4}m \) , \( \boldsymbol{r}=\left( \frac{r}{6}, 0 \right) \) であることがわかっている. この物体と, 質量 \( \frac{m}{4} \) で重心が \( \boldsymbol{r}= \left( \frac{r}{2} , 0 \right) \) の物体との新しい重心 \( \boldsymbol{r}^{\prime}=\left( x_{G}^{\prime}, y_{G}^{\prime}\right) \) を求めればよい. この場合も \( y_{G}^{\prime} \) がゼロであることは明らかなので,

\[\begin{aligned} x_{G}^{\prime} &= \frac{ \left( \frac{3}{4}m \right) \cdot \left( \frac{r}{6} \right) + \left( \frac{1}{4}m \right) \cdot \left(\frac{r}{2} \right) }{\left( \frac{3}{4}m \right) + \left( \frac{m}{4}\right)} \\ &= \frac{r}{4} \quad.\end{aligned}\]

以上より, \( P \) から \( Q \) の方向へ, 円盤1の中心から距離 \( \frac{r}{4} \) だけ進んだ点が重心であることがわかる.

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