抵抗素子の直列接続と並列接続

抵抗 \( R_{i} \, \qty( i = 1, 2, \cdots , n ) \) の抵抗素子が直列接続されたとき, 合成抵抗 \( R \) は \( \displaystyle{R = \sum_{i=1}^{n} R_{i} } \) で表すことができる.

抵抗 \( R_{i} \, \qty( i = 1, 2, \cdots , n ) \) の抵抗素子が並列接続されたとき, 合成抵抗 \( R \) は \( \displaystyle{R = \qty( \sum_{i=1}^{n} \frac{1}{R_{i}} )^{-1} } \) で表すことができる.

抵抗素子の直列接続並列接続について議論を行い, 各接続方法毎に複数の抵抗素子を単一の抵抗素子に置き換えて考えることが可能なことを示そう.

置き換えられた単一の抵抗素子が持つ抵抗を合成抵抗といい, 各接続方法における合成抵抗をどのように定義すべきかについて議論する.

以下では, 抵抗素子の抵抗は時間的に変化せずに一定であるとし, 抵抗素子はオームの法則に従うとする.

オームの法則とは, 抵抗 \( R \) の抵抗素子に流れる電流が \( I \) であるとき, 抵抗素子による電圧降下 \( V \) は次式で与えられることである. \[V = R I \quad . \notag \]

抵抗素子の直列接続

下図に示したような, 複数の抵抗素子が直列接続された回路について考えよう.

この回路において, 端子 \( b \) に対する端子 \( a \) の電位を \( V \) , 端子 \( a \) から抵抗素子群に向かって流れ出る電流を \( I \) とする. また, 各抵抗素子の抵抗を \( R_{i} \) , 各抵抗素子による電圧降下を \( V_{i} \) とする.
( \( i = 1, 2, \cdots , n \) とする. )

直列接続の場合, 各抵抗素子に流れる電流は全て \( I \) に等しいので次式が成立する. \[I_{i}=I \quad . \notag\] また, 各抵抗素子による電圧降下 \( V_{i} \) はオームの法則により \[V_{i} = R_{i}I_{i} = R_{i} I \quad . \notag\] で与えられるので, 抵抗素子群による \( ab \) 間の電圧降下 \( V \) は, \[\begin{align} V &= V_{1} + V_{2} + \cdots + V_{n} \notag \\ &= R_{1}I + R_{2}I + \cdots + R_{n}I \notag \\ \therefore \ V &= \qty( R_{1} + R_{2} + \cdots + R_{n} ) I \label{rssubCon} \end{align}\] となる.

ここで, \[\begin{aligned} R \coloneqq & R_{1} + R_{2} + \cdots + R_{n} \notag \\ =& \sum_{i=1}^{n} R_{i} \notag \end{aligned} \] を定義すると, 式\eqref{rssubCon}は \[V = R I \notag \] と書くことができる. これは抵抗 \( R \) をもつ単一の抵抗素子に成立するオームの法則そのものである.

以上より, \( n \) 個の抵抗素子(抵抗 \( R_{i} \) )が直列接続されている状況は, 抵抗 \( R = R_{1} +R_{2} + \cdots + R_{n} \) を持つ単一の抵抗素子が接続されている状況と同じだとみなすことができ, \( R \) を直列接続された抵抗素子の合成抵抗という.

抵抗素子の並列接続

下図に示したような, 複数の抵抗素子が並列接続された回路について考えよう.

この回路において, 端子 \( b \) に対する端子 \( a \) の電位を \( V \) , 端子 \( a \) から抵抗素子群に向かって流れ出る電流を \( I \) とする. また, 各抵抗素子の抵抗を \( R_{i} \) , 各抵抗素子による電圧降下を \( V_{i} \) , 各抵抗素子に端子 \( a \) 側から流れ込む電流を \( I_{i} \) とする.
( \( i = 1, 2, \cdots , n \) とする. )

並列接続の場合, 各抵抗素子の電圧降下 \( V_{i} \) は全て \( V \) に等しいので次式が成立する. \[V_{i} = V \quad . \notag\] また, 点 \( a_{1} \) に対してキルヒホッフの第1法則を適用すると次式を得る. \[I = I_{1} + I_{2} + \cdots + I_{n} \quad . \label{rpKirch1}\] さらに, 各抵抗素子についてオームの法則により \[I_{i} = \frac{V_{i}}{R_{i}} = \frac{V}{R_{i}} \notag\] が成立する. \( I_{i} \) を式\eqref{rpKirch1}に代入すると, \[\begin{align} I &= I_{1} + I_{2} + \cdots + I_{n} \notag \\ &= \frac{V}{R_{1}} + \frac{V}{R_{2}} + \cdots + \frac{V}{R_{n}} \notag \\ &= \qty( \frac{1}{R_{1}} + \frac{1}{R_{2}} + \cdots + \frac{1}{R_{n}} ) V \label{rpsubCon} \end{align}\] となる.

ここで, \[\begin{aligned} \frac{1}{R} \coloneqq & \frac{1}{R_{1}} + \frac{1}{R_{2}} + \cdots + \frac{1}{R_{n}} \\ =& \sum_{i=1}^{n}R_{i} \end{aligned} \notag\] を定義すると, 式\eqref{rpsubCon}は \[I = \frac{V}{R} \notag\] と書くことができる. これは抵抗 \( R \) を持つ単一の抵抗素子に成立するオームの法則そのものである.

以上より, \( n \) 個の抵抗素子(抵抗 \( R_{i} \) )が並列接続されている状況は, 抵抗 \( R=\qty( \frac{1}{R_{1}} + \frac{1}{R_{2}} + \cdots + \frac{1}{R_{n}} )^{-1} \) を持つ単一の抵抗素子が接続されている状況と同じだとみなすことができ, \( R \) を並列接続された抵抗素子の合成抵抗という.