高校物理の参考書


参考書選びについて
参考書か問題集か
参考書
問題集


参考書選びについて

このようなページを設けておいて言うことではないかもしれないが, 参考書を選ぶときには, 書店などに立ち寄り, 実際に自分の目でじっくりと見て選ぶことをお勧めする.

身の回りの友人・教師やネット上からも情報は得られるだろう. しかし, それらはあくまで参考程度に考えたほうがよい. 友人・教師, ましてやネット上の何某さんはあなた自身ではないので, 最終的な判断は自分で下すという気持ちでいて欲しい.

他人に言われるがまま購入した書籍よりも, 自分で見て, ある程度納得して購入した参考書のほうが, 「マスターしてやる」という使命感も湧いてくるであろうし, 他人に言い訳を押し付けることもなくなるであろう.

このページでもあえてお勧め順などは設けない. 参考程度に考えて欲しい.

参考書か問題集か

まず, 自分が必要としているのが参考書なのか問題集なのかをハッキリしておくことは重要なので, この点をハッキリと認識して書籍選びを行うことをおすすめする.


受験まで比較的時間がある人, 学校の授業でよくわからなかった疑問がたくさんある人は参考書からあたってみるとよいであろう.

そのほかにも,

  • 物理という科目が何をしたいのか分からない, もしくは, 何をやっているのか分からない.

  • 教科書よりも実践的な内容に富んだものが欲しい.

  • 物理の公式の裏側(導出・相互関係)をちょっと見て見たい.

  • 物理の数学的な側面が扱われている物理を勉強してみたい.

といった人も, 参考書からあたるのがよいであろう.

特に, 一つ目理由で悩んでいる人 — 物理が何をやっているのかよくわからないという人 — は物理アレルギーを発症している/しかけている人なので, 数式の意味を文章で非常に丁寧に解説しているような参考書がいいだろう. ただし, このような人は, 物理が何をしたいのかを納得した瞬間に物理が大得意になる可能性を秘めているので, 書籍の力を借りて大躍進して欲しいと思う.

一方, 物理がほとんど趣味の領域にまで到達してしまった人は, 物理の参考書のなかでも数学と深く絡めた内容のものをお勧めする.


  • 授業で聞いたことや, 参考書を読んだ内容について腕試しがしたい. もしくは, 定着作業をしっかりとしたい

  • 基本問題には対応できると思うので, 次のレベルの問題に触れてみたい.

と, 考えているようであれば問題集をあたってみるのがよいであろう.

特に一つ目が理由の人は, 参考とセットになっている問題集や同じ著者の問題集をまずはやってみることをお勧めする. それらの問題集では, 参考書で取り上げた説明内容と似た言い回しになっており, 確実に解ける問題のパターンが増えるのでやりがいがある.

問題集を選ぶときのポイントはいくつかあるが, はじめて問題集に手を出すようであれば, 系統的に学ぶことが出来るような問題集をおすすめする. つまり, 単元がハッキリわかれているような問題集である.

その次のステージとして, 総合問題や各大学の過去問などで構成された問題集へとシフトしていけば, 問題集と実力とのギャップに苦しむことは減るであろう.

書店で問題集を選ぶときには, 馴染みのある問題を数題ほど目を通しながら解説を見てみるといい. 解説の言っていること, 文体, 印刷方法などが自分に合っているか, 自分の疑問を払拭する一文が書いてあるか(=自分と同じ視点をもった解答か)が重要な判断材料となる.

参考書

参考書の魅力は, 教科書よりも実践的な内容であり体系的によくまとまっていることであろう. 物理の優れた参考書は世にたくさんあるので, その中の幾つかを管理人の独断と偏見で取り上げて紹介することにする.

物理のエッセンス

教科書よりも実践的な内容に富んだものが欲しいという人にオススメで, 参考書として非常に有名. 文章の構成は, まず物理公式の紹介とその公式の使える条件を簡潔に説明し, 公式の使い方を例題とともに説明する. 公式の使い方だけでなく, 公式の間違えた使用方法を防ぐためのミニコラム的な補足もあり, それ等はどれも実践的である.

当ページ管理人がこの参考書で特に役に立ったのは, 電磁気のコンデンサの単元であった. 複雑な回路でコンデンサの電位を計算するための必殺技なるものが紹介されているが, 大変実践的である.

物理のエッセンスは上下巻合わせて使うことで, 標準的な国公立試験に対応できるようになる.

橋元淳一郎の物理橋元流解法の大原則

物理という科目が何をしたいのか, 何をやっているのかよく分からないという人にオススメ. 一つの公式を丁寧に, それこそ数ページにわたってイメージを大事にしながら解説するスタイルをとっている. 途中に挟まれている問題も単問というわけではなく, じっくりと段階的に解説できるように2-4問形式になっている.

いわゆる物理アレルギー解消本的な立ち位置で紹介されることも多い参考書になっており, イメージと言葉を中心に物理を解説している.

為近の物理基礎&物理 合格へ導く解法の発想とルール

その名の通り, 物理の問題文の受け止め方とその後にどんな流れを作ればいいのかに主眼に置いた参考書. 問題において着目すべきポイントがどこなのか, 着目した後どんな発想につなげるべきか(どんな発想のネタを持っていると強いのか)や, 物理の公式の運用方法をルールとして紹介している.

物理の問題では, 問題文の意図していることや状況設定の的確な把握が第一歩であるので, 教科書 \( + \alpha \) でつまづきを覚えている人もしくは自分が思い描いた条件をうまく数式に変換できない人は試し読みしてほしい. また, 公式の導出方法がよくわかっていない人は解法(または公式)のルールを破りがちであるので, そういったルール破りをよくしてしまう人にも適切な一冊.

微分積分で読み解く高校物理

物理の公式の裏側をちょっと見て見たいという人は手にとってみてほしい参考書. 高校物理の中でも力学と電磁気の一部を取り出して解説している. 前半の4割で数学の準備と物理の該当分野の概観を高校物理風に説明し, 後半はそれらを微分積分で読み解き直す構成になっている. 高校物理や微分の説明は, 物理アレルギーの人にも十分配慮された形になっているであろう.

本文の構成は筆者と登場人物の会話形式であり, 少し難しい箇所や忘れやすい箇所は紙面を割いて説明している. 「橋元流」と次に紹介する「微積で解いて得する物理」の中間程度の書籍. ただし, 円運動における運動方程式などやや発展的な内容は取り扱われておらず, 発展的な内容を好む人には物足りないところもあるかもしれない. 微積分で読み解き直す主な単元は運動学, エネルギー, 電磁誘導, 交流などである.

微積で解いて得する物理

物理の公式を微分積分とからめて知りたいという人にオススメの参考書. 「物理は微分と積分を使うと得することがあるらしい」と聞いたはいいものの, あまり敷居の高い参考書は勘弁してほしいという人にはぴったりである.

本文の文書構成も, 筆者から読者に語りかけるようになっており, 読み物的に見ることができるのも魅力である. 微分についても初出の時には最低限の説明を行って, 物理ではどう使われているのか/どう使うのかに話題がすぐに移るので, 数学の敷居も低く, 微積と物理の関係を手っ取り早く身につけられる内容になっている. また, 敷居が低いだけではなく, 受験問題にどう対応するのかについても触れられており, 受験勉強を本格化する時に読んでもためになる内容になっている.

理論物理への道標

物理の数学的な側面が扱われている物理を勉強してみたいという人向けの参考書. 数学についてはある程度使えることが前提で, 物理公式を基本から導くスタイルをとっていて, 高校物理に飽き足らず大学以降でも物理に関わる分野へ進みたい人向け.

文書の構成としては, まず十数ページ程度かそれ以上にわたって一つの単元で登場する公式の証明を行い, 続いて十数題程度の問題と解説を行っている. 問題はすべて上位・難関大学レベルかオリジナル問題になっている. また, 公式の証明が誘導問題形式で行われているものも目立ち, 受験に頻出の問題というよりは物理の本質に関わる問題に特化しているといえる.

ところどころに設けられている理論物理セミナーTopicsは物理の最前線の話題なども取り上げられており, 話題も豊富である. 大学程度の物理にシフトするために使用する人も多いようである.

新・物理入門 (駿台受験シリーズ)

物理の数学的な側面が扱われている物理を勉強してみたいという人向けの参考書. 例題などは特になく, 高校物理の参考書といういうよりは物理学自体への入門書といった参考書である. しかし, それゆえにきちんと読むには物理に対する強い興味が必要とされる.

物理を学び始めた段階で読むのと, 高校数学をマスターし高校物理もある程度勉強した段階で読むのとではガラリと印象が変わる本でもある. 前者の場合にはとっつきにくいというイメージを持ってしまわれがちであるのが少しばかり悲しいが, 優れた物理学への入門書であることには違いない.

鉄緑会物理攻略のヒント よくある質問と間違い例

参考書のくくりで紹介しているが体系的に物理を語っている本でなく, タイトルの通りによくある質問と間違い例に対してピンポイントに議論をする内容になっている. したがって, 辞書や読み物の感覚のほうがいいかもしれない.

取り上げられている間違いの例などは, 自分ではわかっているつもりの人でも勘違いしている内容もあるので, 物理を人に教えることが楽しい人や理科の教師を目指そうと考えている人は持っておいても損はない本となっている.

問題集

物理に限らず, 学んだことを定着させるためには自分の頭を使って解答を組み立てる演習が必須である. 問題集を書店で選ぶ時には, 馴染みのある問題を数題ほど目を通しながら解説を見てみるといい. 解説の言っていること, 文体, 印刷方法などが自分に合っているか, 自分の疑問を払拭する一文が書いてあるか(=自分と同じ視点をもった解答か)が重要な判断材料であろう.

良問の風・名問の森

物理のエッセンスの流れを組む問題集. 名問の森のほうが難易度が高い. 名問の森は難易度が各設問ごとに割り当てられているので, 自分がどの程度解けるのかの腕試しにも使えるし, 時間がない時に適当なレベルの問題だけをかい摘んで復習し易いなどのメリットがある. 良問の風の解答冊子は切り離しができるので, 問題を見ながらチェックするのに便利である. 名問の森は問題のすぐ横に解答を載せる形式になっている.

物理のエッセンスが自分に合っていた, という人は上記のどちからからか着手してみるとよい. 名問の森までやっていれば大抵の受験物理には対応ができる. ただし, 問題設定が比較的単純な問題の取り扱いが多いので, 問題設定が複雑に設定される傾向にある大学に挑戦する人は注意されたし.

体系物理

問題集ではあるが体系という名前がついている. それは, この問題集は全てオリジナル問題であり, 各単元の正体と解法を演習を通して順序だてて学ぶスタイルをとっているからである. 問題は受験問題というよりは, 1題につき3-4問程度であり標準的な学校の定期考査 \( + \alpha \) 程度の分量であり, 約400題と豊富である. したがって, 一つの総合問題をじっくりというスタイルが苦手で, 手頃な演習をたくさん解きたいとか考え方を反復練習で身につけたいという人は目を通してみてほしい.

難問題の系統とその解き方

名前の通り難問題が多い問題集で難系の相性で親しまれている. 数学もしくは物理に対してある程度自信がある人ならば, 微小量の使い方なども学べるので解き甲斐がある. ただし, 解説は簡潔につきているので詳しい解説が欲しい人とは相性が悪いので, 初心者向きではない.

要するに比較的敷居の高い問題集であるが, 問題設定の難しい問題などに物怖じしなくなるなどのさらなる自信をつけることができるので, 難関大学志望の人は書店で眺めてみて気に入れば購入すればよいであろう.

難関大入試 漆原晃の物理解法研究

一つの問題に対して複数の解法を考えることや, 問題を見た時の着眼点を詳しく解説している, 参考書と問題集の中間的な側面がある. 標準的な問題集を解くかたわらでこの本を使えば, 解説でよく見かける別解のような考え方がスムーズにできるようになり, 解答時間の短縮なども狙える. 問題文や図示した結果から読み取れる拘束条件(変数を減らすための式)に対して詳しく知りたい人などにオススメ.

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