複素数

実数の扱いに慣れてきた次は, 実数の世界を飛び出して複素数という新しいの概念 — 複素数 — に触れることになる.

物理でも複素数をつかって自然現象の説明がなされることになる.

物理をドンドン勉強していくと, 的確な自然現象の予測(=計算)に便利だからつかうというだけでなく, 複素数で物理法則が記述されることもあるということに出会うことになる.

まずは複素数とはなにかからはじめて, 複素数を図的に表現する複素数平面, 複素数を使うことで, 三角関数, 指数関数の結びつきがわかる最重要な数式, オイラーの公式などを説明する.

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複素数への拡張
複素数
複素数平面
複素数と極形式
オイラーの公式
複素数の極形式の演算
物理と複素数


複素数への拡張

ある数 \( x \) を実数の要素とする. このとき, 方程式 \( x^2+1=0 \) を満たすような\( x \) は存在しない.

これは, 数 \( x \) が実数という集合の要素であるがゆえに起きることであり, 数 \( x \) が属する集合を拡張することで \( x^2+1=0 \) を満たす \( x \) を考えることができる. 詳細な定義は後に回すが, この拡張された数の集合は複素数と言われる.

実数から複素数へと数の概念を拡張するにあたり, 虚数単位 \( i \) を定義しておこう.

虚数単位とはその二乗が \( -1 \) を満たすような数である. すなわち, \( i^2 =-1 \) という性質を持つ数であり, \( i = \sqrt{-1} \) で定義する.

この虚数単位を定義することで, 正の実数 \( a \) を含んだ方程式 \( x^2 + a =0 \) は, \[\begin{aligned} x &= \pm \sqrt{-a} = \pm \sqrt{-1}\sqrt{a} \\ &= \pm \sqrt{a} i \end{aligned}\] となり, 解を考えることができる.

この事情は他の様々な場面でも適用でき, 実数に加えて虚数単位 \( i \) を定義しておくことで我々が考えることができる数の範囲がぐっと広がるのである.

複素数

複素数の集合を記号 \( \mathbb{C} \) であらわし, 複素数 \( z \)\( \mathbb{C} \) の要素であることを強調したいときには \( z \in \mathbb{C} \) と書くことにする. 同様に, 数 \( x ,y \) が実数 \( \mathbb{R} \) の要素であることを強調したいときには \( x, y \in \mathbb{R} \) と書くことにする.

一般的に, 複素数 \( z \)\( x, y \in \mathbb{R} \) を用いて, 次式のようにあらわす. \[z = x + i y \quad .\] 複素数 \( z = x + i y \)\( x \)\( z \)実部, \( y \)\( z \)虚部といい, 複素数 \( z \) の実部を \( \mathrm{Re}\, [z] \) , 虚部を \( \mathrm{Im}\, [z] \) という記号であらわすことにする. ここで, \( z = 0 \) とは, \( \mathrm{Re}\,[z] = 0 \) かつ \( \mathrm{Im}\, [z] = 0 \) のことをいう. \[z = 0 \ \iff \ \left\{ \begin{aligned} \mathrm{Re}\,[z] &= 0 \\ \mathrm{Im}\,[z] &= 0 \end{aligned} \right.\] \( \mathrm{Re}\, [z] \neq 0 \) かつ \( \mathrm{Im}\, [z] = 0 \) を実数, \( \mathrm{Im}\,[z] =0 \) かつ \( \mathrm{Im}\, [z] \neq 0 \)純虚数という.

また, 2つの複素数 \( z_{1}, z_{2} \in \mathbb{C} \)等しいとはそれらの実部と虚部が互いに等しいことを意味する. \[z_{1} = z_{2} \ \iff \ \left\{ \begin{aligned} \mathrm{Re}\,[z_{1}] &= \mathrm{Re}\,[z_{2}] \\ \mathrm{Im}\,[z_{1}] &= \mathrm{Im}\,[z_{2}] \end{aligned} \right.\]

複素数の四則演算

次の2つの複素数 \( z_{1}, z_{2} \in \mathbb{C} \) の四則演算について考える. \[\left\{ \begin{aligned} z_{1} &= x_{1} + i y_{1} \\ z_{2} &= x_{2} + i y_{2} \end{aligned} \right.\] まず, 加法と減法についてかんがえると, \[\begin{aligned} z_{1} + z_{2} &= \left( x_{1} + i y_{1} \right) + \left( x_{2} + i y_{2} \right) \\ &= \left( x_{1} + x_{2} \right) + i \left( y_{1} + y_{2} \right) \end{aligned}\] \[\begin{aligned} z_{1} – z_{2} &= \left( x_{1} + i y_{1} \right) – \left( x_{2} + i y_{2} \right) \\ &= \left( x_{1} – x_{2} \right) + i \left( y_{1} – y_{2} \right) \end{aligned}\] すなわち, 加法減法では実部同士, 虚部同士を足し引きした結果が新しい複素数をつくることになる.

乗法・除法の場合, 特に除法の場合に多少面倒であるが, \( i^2=-1 \) という関係式を途中で用いて, 次式であたえられる. \[\begin{aligned} z_{1} z_{2} &= \left( x_{1} + i y_{1} \right) \left( x_{2} + i y_{2} \right) \\ &= x_{1} x_{2} + i x_{1} y_{2} + iy_{1} x_{2} – y_{1} y_{2} \\ &= \left( x_{1} x_{2} – y_{1} y_{2} \right) + i \left( x_{1} y_{2} + y_{1} x_{2} \right) \end{aligned}\] \[\begin{aligned} \frac{ z_{1} }{ z_{2}} &= \frac{ \left( x_{1} + i y_{1} \right) }{ \left( x_{2} + i y_{2} \right) } \\ &= \frac{ \left( x_{1} + i y_{1} \right) \left( x_{2} – i y_{2} \right)}{ \left( x_{2} + i y_{2} \right) \left( x_{2} – i y_{2} \right) } \\ &= \frac{ \left( x_{1} x_{2} + y_{1} y_{2} \right) + i \left( x_{2}y_{1} -x_{1}y_{2} \right)}{x_{2}^{2} + y_{2}^{2} } \\ &= \frac{ \left( x_{1} x_{2} + y_{1} y_{2} \right)}{x_{2}^{2} + y_{2}^{2} } + i \frac{\left( x_{2}y_{1} -x_{1}y_{2} \right)}{x_{2}^{2} + y_{2}^{2} } \end{aligned}\]

複素共役

複素数 \( z= x + i y \) において虚数単位 \( i \) の符号を変えて \( i \to -i \) としたもの, つまり, 複素数 \( z \) の虚部の符号を反転させた量も複素数であり, \( z \)共役複素数といい, 記号 \( z^{\ast} \)\( \bar{z} \) であらわす. \[\left\{ \begin{aligned} z &= x + i y \\ \bar{z} &= x – i y \end{aligned} \right.\] したがって, 複素数 \( z \) の実部と虚部は共役複素数 \( \bar{z} \) を用いて次のようにあらわすことができる. \[\begin{aligned} x & = \frac{1}{2} \left( z + \bar{z }\right) \\ y & = \frac{1}{2i} \left( z – \bar{z }\right) \\ & = \frac{-i}{2} \left( z – \bar{z }\right) \end{aligned}\] この共役量の意味は次に考える複素数平面を考えることでより鮮明となる.

複素数平面

複素数 \[z = x + i y \quad \left( x,y \in \mathbb{R}\right)\] は2つの実数の組み \( \left( x, y\right) \) がわかれば決定することができる. したがって, 複素数 \( z \)\( xy \) 直交座標平面上の点 \( \left( x, y\right) \) と一対一対応している.

このことを利用して, \( xy \) 直交座標の \( x \) 軸を \( \mathrm{Re}\,[z] \) , \( y \) 軸を \( \mathrm{Im}\,[z] \) に対応させた平面を複素数平面という.

複素数の絶対値と偏角

複素数 \( z=x + iy \) を複素数平面上の一点 \( \left( x, y\right) \) と対応させたとき, 複素数平面の原点から \( \left( x, y\right) \) までの線分の長さを複素数 \( z \)絶対値という.

複素数 \( z \) の絶対値を \( \left| z \right| \) であらわし, 共役複素数 \( \bar{z} \) を用いて \[\left| z \right| = \sqrt{ x^2 + y^2 } = \sqrt{z \bar{z} }\] とあらわすことができる.

また, 原点 \( O \) と点 \( \left( x, y\right) \) を結ぶ線分が \( x \) 軸となす角を \( z \)偏角といい, \( \arg{[z]} \) であらわす. 三角関数の場合と同じく, 偏角 \( \arg z \) は次のような条件を満たす. \[\begin{aligned} \sin{\left( \arg [z] \right)} &= \frac{y}{\sqrt{x^2 +y^2}} \\ &= \frac{\mathrm{Im}\,[z] }{\left|z\right|} \\ \cos{\left( \arg [z] \right)} &= \frac{x}{\sqrt{x^2 +y^2}} \\ &= \frac{\mathrm{Re}\,[z] }{\left|z\right|} \end{aligned}\]

複素数と極形式

複素数 \( z \) の絶対値 \( \left|z\right| \) と偏角 \( \arg{[z]} \) の議論において, \[\left\{ \begin{aligned} \mathrm{Re}\,z &= \left| z \right| \cos{\left(\arg{[z]}\right)} \\ \mathrm{Im}\,z &= \left| z \right| \sin{\left(\arg{[z]}\right)} \end{aligned} \right.\] が成立することを紹介した. したがって, \[\begin{aligned} z &= \mathrm{Re}\, z + i \mathrm{Im}\, z \\ z &= \left| z \right| \cos{\left(\arg{[z]}\right)} + i\left| z \right| \sin{\left(\arg{[z]}\right)} \\ &= \left| z \right| \left\{ \cos{\left(\arg{[z]}\right)} + i\sin{\left(\arg{[z]}\right)} \right\} \end{aligned}\] となる.

これは複素数 \( z \) を指定するための方法として, その実部 \( x \) と虚部 \( y \) を与える方法もあれば, 絶対値 \( \left| z \right| \) と偏角 \( \arg{[z]} \) を与える方法があることを意味している.

これは三角関数において, \( xy \) 平面上のある点を, 原点からの距離(=半径) \( r \) と, \( x \) 軸からの回転角 \( \theta \) をつかって表したことと全く同じである.

そこで, 複素数 \( z \) の絶対値を \( r \) , 偏角を \( \theta \) とする. つまり, \[\left\{ \begin{aligned} r & = \left| z \right| \\ \theta & = \arg{[z]} \end{aligned} \right.\] とすると, \[z = r \left( \cos{\theta} + i \sin{\theta} \right)\] とあらわされる. このような複素数の表現方法を複素数 \( z \)極形式という.

オイラーの公式

絶対値 \( r = \left| z \right| \)\( 1 \) ,偏角 \( \theta = \arg{[z]} \) の複素数 \( z \) を考えた場合, すなわち, 複素数平面上での単位円を考えてみよう. この時 \( r=1 \) より, \[z = \cos{\theta} + i \sin{\theta}\] このような複素数が \( e^{i\theta} \) に等しいという重要な公式を, オイラーの公式という[1]. \[e^{ i \theta } = \cos{\theta} + i \sin{\theta}\] このことを駆け足で紹介しよう.

マクローリン展開の項目で紹介したように, 三角関数は次の級数で展開することができる. \[\begin{aligned} \cos{\theta} &= 1 – \frac{\theta^{2}}{2!} + \frac{\theta^{4}}{4!} – \frac{\theta^{6}}{6!} + \cdots \\ &= \sum_{n=0}^{\infty} \frac{\left(-1\right)^{n}}{\left(2n\right)!}\theta^{2n} \\ \sin{\theta} &= \theta – \frac{\theta^{3}}{3!} + \frac{\theta^{5}}{5!} – \frac{\theta^{7}}{7!} + \cdots \\ &= \sum_{n=0}^{\infty} \frac{\left(-1\right)^{n}}{\left(2n+1\right)!}\theta^{2n+1} \end{aligned}\] また, 指数関数 \( e^{x} \) を級数展開すると, \[e^{x} = 1 + \frac{x}{1!} + \frac{x^{2}}{2!} + \frac{x^{3}}{3!} + \cdots\] となる. この指数関数の展開はそのまま複素数へと拡張することができ, \( e^{z} \) を級数展開すると, \[e^{z} = 1 + \frac{z}{1!} + \frac{z^{2}}{2!} + \frac{z^{3}}{3!} + \cdots\] となることが知られている[2]. ここで \( z = i \theta \) とすると, \[\begin{aligned} e^{i\theta} &= 1 + \frac{i\theta}{1!} + \frac{\left( i\theta \right)^{2}}{2!} + \frac{\left( i\theta \right)^{3}}{3!} + \frac{\left( i\theta \right)^{4}}{4!} \\ &\quad + \frac{\left( i\theta \right)^{5}}{5!} + \frac{\left( i\theta \right)^{6}}{6!} + \frac{\left( i\theta \right)^{7}}{7!} + \cdots \\ &= 1 + i\frac{\theta}{1!} – \frac{\left( \theta \right)^{2}}{2!} – i\frac{\left( \theta \right)^{3}}{3!} + \frac{\left( \theta \right)^{4}}{4!} \\ &\quad+ i\frac{\left( \theta \right)^{5}}{5!} – \frac{\left( \theta \right)^{6}}{6!} – i\frac{\left( \theta \right)^{7}}{7!} + \cdots \\ &= \left( 1 – \frac{ \theta^{2}}{2!} + \frac{ \theta^{4}}{4!} – \frac{ \theta^{6}}{6!} + \cdots \right) \\ &\quad + i \left( \frac{\theta}{1!} – \frac{ \theta^{3}}{3!} + \frac{ \theta^{5}}{5!} – \frac{ \theta^{7}}{7!} + \cdots \right) \\ &=\sum_{n=0}^{\infty} \frac{\left(-1\right)^{n}}{\left(2n\right)!}\theta^{2n} + i \sum_{n=0}^{\infty} \frac{\left(-1\right)^{n}}{\left(2n+1\right)!}\theta^{2n+1} \\ &=\cos{\theta} + i \sin{\theta} \end{aligned}\] となることが知られている[3].

これらの数学のもと, オイラーの公式 \[e^{i\theta} = \cos{\theta} + i \sin{\theta}\] を用いると, 絶対値 \( r \) , 偏角 \( \theta \) の複素数 \( z \) の極形式は \[\begin{aligned} z &= r \left( \cos{\theta} + i \sin{\theta}\right) \\ &= r e^{i \theta } \end{aligned}\] とあらわすことができる.

複素数の極形式の演算

極形式の演算

指数関数について, 次式が成立するのであった. \[e^{a} e^{b} = e^{a+b}\]

この性質を複素数まで拡張すると, \( z_{1}=r_{1}e^{i\theta_{1}} \) , \( z_{2}=r_{2}e^{i\theta_{2}} \) の乗法及び除法について次が成立する. \[\begin{aligned} z_{1} z_{2} &=r_{1}e^{i\theta_{1}} \cdot r_{2}e^{i\theta_{2}} \\ &=r_{1}r_{2} e^{ i \left( \theta_{1}+\theta_{2} \right) } \\ \to & \left\{ \begin{aligned} \left| z_{1} z_{2} \right| &=\left| r_{1}r_{2} e^{ i \left( \theta_{1}+\theta_{2} \right) } \right| \\ & =\left| r_{1}r_{2} \right| = \left| r_{1} \right| \left| r_{2} \right| \\ \arg{[ z_{1} z_{2} ]} & = \arg{[ z_{1} ]} + \arg{[ z_{2} ]} \end{aligned} \right. \end{aligned}\]

\[\begin{aligned} \frac{z_{1}}{z_{2}} &=\frac{r_{1}e^{i\theta_{1}} }{ r_{2}e^{i\theta_{2}} } \\ &=\frac{r_{1}}{r_{2}} e^{ i \left( \theta_{1}-\theta_{2} \right) } \\ \to & \left\{ \begin{aligned} \left| \frac{z_{1}}{z_{2}} \right| & = \left| \frac{r_{1}}{r_{2}} e^{ i \left( \theta_{1}-\theta_{2} \right) } \right| \\ & = \left| \frac{ r_{1} }{ r_{2} } \right| = \frac{ \left| r_{1} \right| }{ \left| r_{2} \right| } \\ \arg{[ \frac{ z_{1} }{ z_{2} }]} & = \arg{[ z_{1} ]} – \arg{[ z_{2} ]} \end{aligned} \right. \end{aligned}\]

複素数 \( z=re^{i\theta} \) の共役複素数 \( \bar{z} \)\[\bar{z} = re^{-i\theta}\] より, やはり次式が成立する. \[\begin{aligned} z \bar{z} &= r e^{i\theta} r e^{-i\theta} = r^{2} \\ \therefore \ r &= \sqrt{z \bar{z}} \end{aligned}\]

ド・モアブルの定理

複素数 \[z = r \left( \cos{\theta} + i \sin{\theta} \right) = re^{i\theta}\] の羃乗について考えると, 指数関数の性質より \[\begin{aligned} z^{n} &= \left( re^{ i \theta } \right)^{n} = r^{n} e^{ i n \theta} \\ &= r^{n} \left( \cos{ n \theta } + i \sin{ n \theta } \right) \end{aligned}\] ここで, \( r=1 \) とした場合に成立する式 \[\left( \cos{ \theta } + i \sin{ \theta } \right)^{n} = \left( \cos{ n \theta } + i \sin{ n \theta } \right)\]ド・モアブルの定理という.

物理と複素数

学習のレベルが上がっていくと, 物理の世界を複素数を持ち込んで説明することも増えてくる. すると, 「現実に測定されている長さや質量は実数であるのに, なぜ物理に複素数を持ち込むのか?」という疑問にかられる人, 他人から指摘されて初めて考え込む人など出てくるであろう.

そういう方に改めて伝えたいのは, 物理学は自然現象を説明する言語であるということである. この目的のために必要な言語[4]や便利な言語の導入は強気におこなってよいのである.

この立場をはっきりせさせておくと, 「現実 \( \cdots \) に複素数を持ち込むのか?」という疑問に対する理由付けとしては, 「複素数を持ち込むと自然の記述が便利になるから」というのが妥当であろうか.

このようなことは複素数の導入以前にも諸君は自然におこなってきたことである. 例えば, 自然数 \( 1 ,2, 3, \cdots \) という”数”だけ表現できない物理量に出会った時には, 負の数を導入したり, 無理数を導入するなどして数の概念を拡張してきた[5]. ある方向を指定するための言語としてベクトルの概念を導入し, 変化具合やその蓄積量を表すための言語として微分や積分を導入してきた.

これらの数学が物理を記述するのに適していると判断されたからこそ, 今日の物理はこれらの数学で記述されているのである. 複素数への数の概念の拡張も同じことである.

高校物理の教科書では複素数を用いることに消極的であるので, 複素数の恩恵を理解しにくいのは確かである. しかし, 複素数を用いることで回転やインピーダンスといった計算を便利に行うこともできる.

また, 単に便利なだけではなく, 複素数の物理量が本質的な意味を持つ物理分野も近い将来に出会うことになる.

複素数を考えることによって物理をいたずらに難しくしているわけではなく, 複素数を考えることでようやく理解できる世界があることを頭の片隅に入れておいていただきたい.

最終更新日
線積分 微分方程式



補足    (↵ 本文へ)
  1. この公式は文句なく重要な関係式である. 興味を持った人は書店などで関連書籍を探してみるとよい.

  2. このような, 元々実数領域で定義されていた関数を(形式的に)複素数へ拡張できるかどうかは本来は自明でない. このような操作の妥当性は解析接続という数学的な手法の登場を待つことになる.

  3. 証明方法はさまざまあるが, いずれにしてもこれらが正しいかどうかは数学でより厳密に扱っていただきたいが, 物理屋としてはこの程度の理解でも十分である.

  4. 今日までに人間が獲得した, 物理現象を正確(精確)にあらわすことができる言語は数学である.

  5. 必ずしも数学的な概念が確立する順序と同じではなかったが, 数学とは互いに刺激しあって成長してきた.

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