単位一覧

基本単位と組立単位

物理の世界に登場する物理量数値単位の組み合わせで表される.

例えば, \( 2.3 \, \mathrm{kg} \) において, \( 2.3 \) は単なる数値であり, \( \mathrm{kg} \) 単位である. これらを組み合わせることで \( 2.3 \, \mathrm{kg} \) は, \( 1 \, \mathrm{kg} \) という量の \( 2.3 \) 倍の値を持つ物理量だということになるのである.

単位については世界的な基準であるSI単位系が用いられる.

SI単位系ではあらゆる単位のもととなるSI基本単位とSI基本単位の組み合わせで表現できるSI組立単位があるので, これらを以下でまとめて示す.

なお, 「世の中にどんな単位が存在しているか」とか, 「どんな成り立ちであるか」とか, 「その定義は何か」などを解説した書籍は世にたくさんあるので, 興味があれば見てみることをお勧めする. 原始的な単位ほど人間の生活に密着したものになっていてなかなか面白い.

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SI基本単位
SI組立単位
SI接頭語
SI基本単位の定義


SI基本単位

SI基本単位とは次の表に示す7つである. これらの単位を基準として他の単位を考えていくことになる.

高校物理の範囲では光度を表す単位はあまり出会わないが, その他は身近な単位ばかりである.

単位

記号

時間

\( \mathrm{ s } \)

長さ

メートル

\( \mathrm{m} \)

質量

キログラム

\( \mathrm{kg} \)

電流

アンペア

\( \mathrm{A} \)

温度

ケルビン

\( \mathrm{K} \)

物質量

モル

\( \mathrm{mol} \)

光度

カンデラ

\( \mathrm{cd} \)

SI組立単位

SI組立単位はSI基本単位のべき乗の積もしくは商で表される.

固有名称/記号を持つSI組立単位

SI組立単位の中でもその役割が大きいものには固有名詞がついている.

物理の問題でもこれら固有の記号が使われるが, それがどのような基本単位で構成されているかはよく把握しておく必要がある.

単位

記号

その他の表現

平面角

ラジアン

\( \mathrm{ rad } \)

\( \)

振動数,
周波数

ヘルツ

\( \mathrm{ Hz } \)

\( \mathrm{s^{-1}} \)

ニュートン

\( \mathrm{N} \)

\( \mathrm{m \cdot kg \cdot s^{-2}} \)

圧力

パスカル

\( \mathrm{Pa} \)

\( \mathrm{N/m^2} \)


\( \mathrm{m^{-1} \cdot kg \cdot s^{-2}} \)

エネルギー,
仕事

ジュール

\( \mathrm{J} \)

\( \mathrm{N \cdot m} \)


\( \mathrm{ m^{2} \cdot kg \cdot s^{-2}} \)

仕事率

ワット

\( \mathrm{W} \)

\( \mathrm{J/s} \)


\( \mathrm{m^{2} \cdot kg \cdot s^{-3}} \)

電気量

クーロン

\( \mathrm{C} \)

\( \mathrm{s \cdot A} \)

電圧,
電位(差)

ボルト

\( \mathrm{V} \)

\( \mathrm{W/A} \)


\( \mathrm{m^{2} \cdot kg \cdot s^{-3} \cdot A^{-1}} \)

電気容量

ファラド

\( \mathrm{ F } \)

\( \mathrm{C/V} \)


\( \mathrm{m^{-2} \cdot kg^{-1} \cdot s^{4} \cdot A^{2}} \)

電気抵抗

オーム

\( \mathrm{\Omega} \)

\( \mathrm{V/A} \)


\( \mathrm{m^{2} \cdot kg \cdot s^{-3} \cdot A^{-2}} \)

磁束

ウェーバ

\( \mathrm{Wb} \)

\( \mathrm{V \cdot s } \)


\( \mathrm{m^{2} \cdot kg \cdot s^{-2} \cdot A^{-1} } \)

磁束密度

テスラ

\( \mathrm{T} \)

\( \mathrm{Wb /m^{2} } \)


\( \mathrm{kg \cdot s^{-2} \cdot A^{-1} } \)

インダクタンス

ヘンリー

\( \mathrm{H} \)

\( \mathrm{Wb /A } \)


\( \mathrm{m^{2} \cdot kg \cdot s^{-2} \cdot A^{-2} } \)

セルシウス温度

(セルシウス)度

\( \mathrm{^{\circ}C} \)

\( \mathrm{K} \)

SI組立単位

単位

記号

その他の表現

面積

平方メートル

\( \mathrm{ m^2 } \)

\( \)

体積

立方メートル

\( \mathrm{ m^3 } \)

\( \)

(体積)密度

キログラム毎
立法メートル

\( \mathrm{kg / m^3} \)

\( \)

速度,速さ

メートル毎秒

\( \mathrm{m/s} \)

\( \)

加速度

メートル毎秒毎秒

\( \mathrm{m/s^2} \)

\( \)

角速度

ラジアン毎秒

\( \mathrm{rad/s} \)

\( \)

モーメント

ニュートンメートル

\( \mathrm{N \cdot m } \)

\( \mathrm{m^{2} \cdot kg \cdot s^{-2}} \)

熱容量

ジュール毎ケルビン

\( \mathrm{J/K} \)

\( \mathrm{m^{2} \cdot kg \cdot s^{-2} \cdot K^{-1}} \)

比熱

ジュール毎キログラム毎ケルビン

\( \mathrm{J/\left(kg \cdot K\right)} \)

\( \mathrm{m^{2} \cdot s^{-2} \cdot K^{-1}} \)

電場の強さ

ボルト毎メートル


ニュートン毎クーロン

\( \mathrm{V/m} \)


\( \mathrm{N/C} \)

\( \mathrm{m \cdot kg \cdot s^{-3} \cdot A^{-1}} \)

磁場の強さ

アンペア毎メートル


ニュートン毎ウェーバ

\( \mathrm{A/m} \)


\( \mathrm{N/Wb} \)

\( \mathrm{A/m} \)

SI接頭語

SI単位に以下の文字をつけることで数の大きい(小さい)値の簡略化が可能となる.

名称

記号

大きさ

使用例

ヨタ (yotta)

Y

\( 10^{24} \)

ゼタ (zetta)

Z

\( 10^{21} \)

エクサ (exa)

E

\( 10^{18} \)

ペタ (peta)

P

\( 10^{15} \)

テラ (tera)

T

\( 10^{12} \)

ギガ (giga)

G

\( 10^{9} \)

メガ (mega)

M

\( 10^{6} \)

\( \mathrm{M\Omega}, \mathrm{MW} \)

キロ (kilo)

k

\( 10^{3} \)

\( \mathrm{km}, \mathrm{kg}, \mathrm{k\Omega} \)

ヘクト (hecto)

h

\( 10^{2} \)

\( \mathrm{h Pa} \)

デカ (deca, deka)

da

\( 10^{1} \)

デシ (deci)

d

\( 10^{-1} \)

センチ (centi)

c

\( 10^{-2} \)

ミリ (milli)

m

\( 10^{-3} \)

\( \mathrm{mm}, \mathrm{mg}, \mathrm{mA} \)

マイクロ (micro)

\( \mu \)

\( 10^{-6} \)

\( \mathrm{\mu C}, \mathrm{\mu F} \)

ナノ (nano)

n

\( 10^{-9} \)

\( \mathrm{nF}, \mathrm{nm} \)

ピコ (pico)

p

\( 10^{-12} \)

\( \mathrm{pF} \)

フェムト (femto)

f

\( 10^{-15} \)

\( \mathrm{fm}, \mathrm{fC} \)

アト (atto)

a

\( 10^{-18} \)

ゼプト (zepto)

z

\( 10^{-21} \)

ヨクト (yocto)

y

\( 10^{-24} \)

SI基本単位の定義

SI基本単位の定義について, 参考文献「国際文書第8版 (2006) 国際単位系(SI) 日本語版」で述べられている内容を引用する.

また, 参考文献でも次のように述べられているとおり, 各基本単位はそれぞれ完全に独立なものではなく, 別の基本単位を持つ量に依存している

七つの基本量である長さ, 質量, 時間, 電流, 熱力学温度, 物質量, 光度は便宜的に独立であると考えられているが, それらの基本単位であ るメートル, キログラム, 秒, アンペア, ケルビン, モル, カンデラは多くの場合, 互いに依存しているということを知っておく必要がある. 長さの定義は秒を, アンペアの定義はメートル, キログラム, 秒を, モルの定義はキログラムを, カンデラの定義はメートル, キログラム, 秒を取り込んでいる.

メートル( \( \mathrm{m} \) ) の定義

メートルは, \( 1 \) 秒の \( 299 792 458 \) 分の \( 1 \) の時間に光が真空中を伝わる行程の長さである.

秒( \( \mathrm{s} \) )の定義

秒は, セシウム133の原子の基底状態の二つの超微細構造準位の間の遷移に対応する放射の周期の \( 9 192 631 770 \) 倍の継続時間である.

補則 : この定義は温度 0 K のもとで静止した状態にあるセシウム原子に基準を置いている.

キログラム( \( \mathrm{kg} \) ) の定義

キログラムは質量の単位であって,単位の大きさは国際キログラム原器の質量に等しい.

国際キログラム原器とは, 白金・イリジウム合金で出来た分銅である. この分銅は一年間でおよそ \( 1 \mathrm{\mu g} \) 程度の付着物が生じるので, 決められた手順にそって洗浄された後の質量が用いられる.

アンペア ( \( \mathrm{A} \) ) の定義

アンペアは, 真空中に \( 1 \) メートルの間隔で平行に配置された無限に小さい円形断面積を有する無限に長い二本の直線状導体のそれぞれを流れ, これらの導体の長さ \( 1 \) メートルにつき \( 2 \times 10^{7} \) ニュートンの力を及ぼし合う一定の電流である.

ケルビン ( \( \mathrm{K} \) ) の定義

熱力学温度の単位, ケルビンは,水の三重点の熱力学温度の \( 1/273.16 \) である.

モル ( \( \mathrm{mol} \) ) の定義

1. モルは, \( 0.012 \) キログラムの炭素12の中に存在する原子の数に等しい数の要素粒子を含む系の物質量であり, 単位の記号は \( \mathrm{mol} \) である.

2. モルを用いるとき, 要素粒子が指定されなければならないが, それは原子, 分子, イオン, 電子, その他の粒子又はこの種の粒子の特定の集合体であってよい.

補則 : この定義の中で, 炭素12の原子は結合しておらず, 静止しており, 基底状態にあるものを基準とすることが想定されている.

カンデラ ( \( \mathrm{cd} \) ) の定義

カンデラは, 周波数 \( 540 \times 10^{12} \) ヘルツの単色放射を放出し, 所定の方向におけるその放射強度が \( 1/683 \) ワット毎ステラジアンである光源の, その方向における光度である.

最終更新日
ギリシャ文字とベクトルの表記方法 単位と次元

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