静電場中の斜方投射と磁場による粒子の閉じ込め

静電場中の斜方投射と磁場による粒子の閉じ込め

図のように, 二つの極板 \( P \) , \( Q \) の間の荷電粒子の運動について考える. はじめ, 極板 \( P \) は正に一様に帯電し, 極板 \( Q \) は負に一様に帯電し, 極板間には大きさ \( E \) の一様な電場が生じていた.

時刻 \( t=0 \) において, 質量 \( m \) , 電荷 \( -e \,(e > 0 ) \) の粒子を極板 \( P \) から極板 \( P \) と成す角が \( \theta \,( 0^{\circ} < \theta < 90^{\circ}) \) となる向きに速さ \( v_{0} \) で放出した. 重力の影響を無視できる時, 次の問に答えよ.

ただし粒子によって極板間の電場は乱されることなく, 極板の端点における電場の歪みは無視できるものとし, 粒子は極板 \( Q \) に接触しなかったものとする.

粒子が極板 \( Q \) に最も近づいた瞬間の時刻 \( t_{1} \) をもとめ, そのときの極板 \( P \) からの距離 \( h \) を求めよ.

時刻 \( t_{1} \) において, 極板間の電場をなくす代わりに, 紙面(画面)に垂直で表から裏へと向かう方向に大きさ \( B\,(>0) \) の磁束密度をかけることで, 極板 \( P \) にも \( Q \) にも接触しない状態で極板間に粒子を閉じ込めるようにしたい.

このとき, 磁束密度の大きさ \( B \) はある値 \( B_{0} \) よりも大きくなければならない. \( B_{0} \) の値を \( E \) , \( v_{0} \) , \( \theta \) を用いて表わせ.

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\( t=0 \) における粒子の位置を原点 \( O \) として, 極板 \( Q \) に沿った方向を \( x \) 軸, 極板 \( Q \) から極板 \( P \) へ向かう方向を \( y \) 軸とし, 時刻 \( t \) における物体の位置 \( \boldsymbol{r} \) を \( \boldsymbol{r}=\left(x,y\right) \) とする. また, 時刻 \( t=0 \sim t_{1} \) の間の電場 \( \boldsymbol{E} \) の向きと大きさは, \[\boldsymbol{E} = \left( 0, E \right) \notag\] である.

\( x \) 軸方向及び \( y \) 軸方向の運動方程式は \[\begin{aligned} m\frac{d^2 x }{dt^2} &= 0 \\ m\frac{d^2 y }{dt^2} &= -eE\end{aligned}\] であることから, 両辺を \( t \) で積分し, 時刻 \( t=0 \) における水平方向および鉛直方向の初速度 \( v_{0_x} \) , \( v_{0_y} \) が \[\begin{aligned} v_{0_x} &= v_{0}\cos{\theta} \\ v_{0_y} &= v_{0}\sin{\theta} \end{aligned}\] であることを用いれば, 水平及び鉛直方向の速度の成分は \[\begin{align} v_{x} &= v_{0}\cos{\theta} \label{vx} \\ v_{y} &= -\frac{eE}{m} t + v_{0}\sin{\theta} \label{vy} \end{align}\] となる. さらにもう一度両辺を \( t \) で積分して時刻 \( t=0 \) において粒子が原点にいたことを初期条件として用いると, \[\begin{align} x &= v_{0}\cos{\theta}\,t \label{x} \\ y &= -\frac{1}{2}\frac{eE}{m} t^{2} + v_{0}\sin{\theta} \,t \label{y} \end{align}\] が成立している.

時刻 \( t_{1} \) では, 粒子の \( y \) 軸方向のがゼロであることから, 式\eqref{vy}より, \[0 = -\frac{eE}{m} t_{1} + v_{0}\sin{\theta} \notag \] \[\therefore \ t_{1} = \frac{mv_{0}\sin{\theta}}{eE} \quad . \notag \] したがって, 時刻 \( t_{1} \) における粒子の \( y \) 座標は, 式\eqref{y}より, \[y(t_{1}) = -\frac{1}{2}\frac{eE}{m} \left( \frac{mv_{0}\sin{\theta}}{eE} \right)^{2} + v_{0}\sin{\theta} \left( \frac{mv_{0}\sin{\theta}}{eE} \right) \notag \] したがって, 極板 \( P \) からの距離 \( h \) は \[h = \frac{mv^{2}_{0}\sin^{2}{\theta}}{2eE} \quad . \label{h} \]

時刻 \( t_{1} \) 以降は極板間にかけられた磁束密度 \( B \) によって, 粒子はローレンツ力を受けて円運動を行う. この円運動の半径を \( R \) , 速さを \( v \) とすると, 粒子の向心方向の運動方程式は \[m\frac{v^2}{R} = evB \notag \] が成立する.

時刻 \( t_{1} \) における粒子の速さは \( v_{0}\cos{\theta} \) であることから, 半径 \( R \) は \[R = \frac{mv_{0}\cos{\theta}}{eB} \label{R}\] であることがわかる.

このような円運動を行う粒子が極板 \( P \) に接触しないことから, \( h-2R>0 \) を満たす必要がある. 式\eqref{h}および式\eqref{R}より, \[\begin{aligned} & h > 2 R \\ \to \ & \frac{1}{2}\frac{mv_{0}^{2}\sin^{2}{\theta}}{eE} > 2 \cdot \frac{mv_{0}\cos{\theta}}{eB} \\ \to \ & B > \frac{4\cos{\theta}}{v_{0}\sin^{2}{\theta}}E \end{aligned}\] したがって磁束密度は \[B_{0} = \frac{4\cos{\theta}}{v_{0}\sin^{2}{\theta}}E \notag \] よりも大きい必要がある.

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