三角板のつりあい

三角板のつりあい

点 \( A \) , 点 \( B \) , 点 \( C \) という三つの頂点を持つ, 一辺の長さが \( L \) で質量を無視できる正三角形の形状をした物体を考える. この三角形の各頂点を, 面積の小さな台座で支える. この各台座は重量計の役割を果たしており, その上面に置かれたものの重量を測定することができ, はじめ, 各重量計は値 \( 0 \) を示していた.

この三角形の物体のある点 \( P \) に質量を無視できる軽い糸を介して, 質量 \( M \) の物体を吊り下げると, 各台座の示す値が上昇した. 点 \( A \) , \( B \) , \( C \) の各台座の上昇値は重力加速度 \( g \) を用いると, \( m_{a}g \) , \( m_{b}g \) , \( m_{c}g \) であった.

この状況を上から眺め, 座標系を下図のように設定したとき, 次の問に答えよ. ただし, 各台座(重量計)及び三角形の物体の歪みは無視でき, 三角形の物体は常に水平に保たれているとする. また, 重量計の示す値は台座上の物体の重量に等しいとする.

点 \( P \) に吊り下げた物体の質量と点 \( P \) の座標を求めよ.

スポンサーリンク

重量計の示す値は台座上の物体の重量と同じ値であり, 三角形の各頂点は各台座に示された値だけ台座から垂直抗力を受けていることになる.

本問題は, 点 \( P \) にかかる鉛直下向きの力 \( Mg \) が各頂点 \( A \) , \( B \) , \( C \) に, 鉛直方向の力のつりあいが成立, かつ, 板が水平に保たれるように分配されたことを意味している.

これは各頂点の質量が \( m_{a} \) , \( m_{b} \) , \( m_{c} \) であるような正三角形を, 鉛直方向の力のつりあいが成立, かつ, 板が水平に保たれるようにある一点をある力で支える問題と等価である.

したがって, 質量 \( m_{a} \) , \( m_{b} \) , \( m_{c} \) の物体が座標 \( A\left( 0, 0 \right) \) , \( B\left( L, 0 \right) \) , \( A\left( \frac{1}{2}L, \frac{\sqrt{3}}{2}L \right) \) に存在するとし, この3点の重心が点 \( P \) の座標に一致し, 水平方向の力のつりあいが成立するような点 \( P \) を支える力の大きさが重量 \( Mg \) であることを意味する.

鉛直方向の運動方程式より \[ \begin{aligned} & 0 = m_{a}g + m_{b}g + m_{c}g – Mg \\ & \to \ M = m_{a} + m_{b} + m_{c} \quad . \end{aligned}\]

一般に, \( N \) 個の質点の位置(または物体の重心)と質量がそれぞれ \( \boldsymbol{r}_i \), \( m_i \) で与えられるときの重心 \( \boldsymbol{r}_G \) は \[ \begin{aligned} \boldsymbol{r}_G &= \frac{\sum_{i=1}^{N} m_i \boldsymbol{r}_i }{ \sum_{i=1}^{N} m_i} \\ &= \frac{ m_1 \boldsymbol{r}_1 + m_2 \boldsymbol{r}_2 + \cdots m_N \boldsymbol{r}_N }{ m_1 + m_2 + \cdots + m_N} \quad . \end{aligned} \] で定義される(重心). この定義にしたがって, 質量 \( m_{a} \) , \( m_{b} \) , \( m_{c} \) の物体が座標 \( A\left( 0, 0 \right) \) , \( B\left( L, 0 \right) \) , \( A\left( \frac{1}{2}L, \frac{\sqrt{3}}{2}L \right) \) に存在するときの重心(=点 \( P \) )の座標 \( \boldsymbol{r}_{G} = \left( x_{G}, y_{G} \right) \) を計算すると, \[\begin{aligned} x_{G} &= \frac{m_{a}\cdot 0 + m_{b}\cdot L + m_{c}\frac{L}{2}}{m_{a}+m_{b}+m_{c}} \\ &= \frac{\left( 2 m_{b} + m_{c} \right)}{2\left( m_{a}+m_{b}+m_{c}\right)}L \\ \end{aligned}\] \[\begin{aligned} y_{G} &= \frac{m_{a}\cdot 0 + m_{b}\cdot 0 + m_{c}\frac{\sqrt{3}}{2}L}{m_{a}+m_{b}+m_{c}} \\ &= \frac{\sqrt{3} m_{c} }{2\left( m_{a}+m_{b}+m_{c}\right)}L \end{aligned}\] である.

スポンサーリンク

この記事をシェアする

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です